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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第080号       ’01−02−23★

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     How come?

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●果てしない空の広がり

 

の中での「僅か10メートル」は、長距離ミサイルなら命中精度許容

範囲内。 いわば<空中の一点>です。 そこに巨大ジェット2機が

同時に飛び込み、カスりもせず飛び違う、、

 

JAL同士のニアミスは、ブルー・インパルスも真っ青のスーパー・

プレーでした。 そうしろ、と命じられても、実演は容易じゃない。

試みに広い部屋で、

 

別々の隅から2台のリモコン模型自動車を一点に向けて走らせ、見事

衝突させられると思いますか?  1回でガチン! は無いでしょう。

 

まして3次元空間、2機の模型飛行機をたとえば10センチの間隔で

交差させてみろ、なんて言われたら、、、

 

私はケチだから、たとえ腕前があっても、ぶつけて壊した時の損失が

思い浮かんでしまい、手前で回避させてしまうに違いない。 まして

数百人の命を預かった機長が、安全を意識しないはずはありません。

 

「最終的には機長の判断、、」とも言われているのだから、視認した

瞬間から相互に交信し、異なる高度へ、左と右に旋回していれば、、

 

と思うが、どうしてあんなことになっちゃったんだ?  How come?

 

 

両機とも操縦士は正副健在、機体やエンジン、管制との交信、すべて

異常なく、数十キロを隔てて視認してもいた、、 というのに、

 

セイノ! で息を合わせたかのようにピッタンコ。 「どちらの機長

もベストを尽くしたと思う」という声もあったが、たしかにベストを

尽くさなきゃ出来ない高難度の演技、

 

度胸試しのチキン・ラン? と訊きたくなるほどの、信じがたい現象

でしたが、単に<管制官の取り違えによる逆の指示>が原因だそうで。

 

907便が上、958便が下、とするつもりが真逆様の<単純ミス>。

 

誤った指示を発した管制官は責められて当然ですが、その指示を受け

た側、何かオカシイとは感じなかったのか?  いや、少しは感じた

ようで、907便は「降下せよ」の指示に、「念押しのため、自分の

便名を告げてから降下を開始した」という。  ところが、

 

その<念押し>を<958便からの復誦>と思い込んだのか、管制官

は訂正せず、そのため907便は降下を続行。

 

  <念押し>なら「、、で間違いないのか?」とか、明らかに念を

  押す言い方にしたら良かったのに。  遠慮かな?  How come?

 

このやり取りは958便でも聞こえていたはずだったが、無線微弱で

聴き取れず、907便への降下指示とは認識していなかった、という。

 

  「微弱、、」と言うからには、何か少しは聞こえたのでしょうね。

  なら、周波数を変えるなどして、交信を続けるべきだったのでは?

 

  ケータイのお喋りと違い、無用の言葉を交わす世界ではなかろう。

  そのためのハイテク装備だろうに「微弱」とは?  How come?

  

  <関連航空機>同士の交信については何も報道されないが、それ、

  まさか禁止されているんじゃあるまいな?  私には不思議です。

 

  だいたい「関連航空機」、近辺飛行中の他機、の意味でしょう?

  そう聞けば直ちに<危険>を連想するのが常識ではあるまいか?

  すぐ相手機に連絡を取れば良いのに、取らないもの、なのかな?

 

  報道に含まれていなかったところからすると、彼ら同士の交信は

  無かったのではあるまいか。 とすると、これも How come?

 

「907便への降下指示とは思わなかった」にしても<降下指示>で

あることは分かっていた、ように思われます。 なら、「その指示は

958へのかね?」とでも確認すべき。 何故しない? How come?

 

「無線微弱」と言うからには、聴いてはいたが結局聴き取れなかった、、

のかも。 なら尚更、確かめるべきでしたが、958便はそうしない。

 

これで、誤りが訂正され得た最初の機会が失われてしまった。 さら

に、そこへ割り込んだ先輩管制官が次の是正機会を<積極的に>潰す。

 

即ち958便には「95<7>便、すぐ降下せよ」、そして降下中の

907便には「上昇せよ」。  えっ? どうして?  How come?

 

これに対する907便の応答が無かった、と報道されているが、それ

もワカラン。 How come?  管制官とは口を利きたくない、とでも?

 

この前後の<応答無し>は3回、計4回。 両機各2回ずつ。 この

寡黙さ加減、 How come?

 

そのあとTCASが907便には上昇を、958便には降下を、即ち

<あるべき姿>通りを指示した、というから悲しくなる。 あいにく

それは、管制官の指示とは正反対。  かくて907便は、下げたり

上げたり、また下げたり。  <絶叫マシーン>化してしまった。

 

*   *

 

管制官の指示は、「関連航空機あり」で始まった時からオカシカッタ。

特に、両機の便名の間違え方が特徴的。  いわゆる<取り違え>は、

958便へ指示したつもりで「907便、今すぐ降下を、、」とした

1回だけ。  もちろん、それが最も大きな間違いだったのだが、

 

あと3回は、便名に含まれる3桁数字のうち、1桁だけを間違えると

いう不思議な傾向。  958便へは「957便、、」、907便へ

は「908便、、」、そして958便へ「908便、、」 ???

 

アタマの配線のヒッカカリで特定の数字を間違える、ということなら

時にあるかも知れないが、7と8の誤りが<双方向>なのは珍しいし、

加えて5と0の組み合わせもある。  How come?   しかも、

 

間違えたのは二人とも。 先輩、後輩、各2回ずつ。  How come?  

「動転して、、」という推測もあったが、もしそうなら、管制官には

全く不向きな人たち。  それ以前、何かオカシイと気付かずにいた

ことだけでも適性が疑われるではありませんか。 

 

航路の過密や業務の性質、色々説明が試みられていますが、そんなの

昨日今日じゃない。 それが理由ならもっと前から定常的に、ほかの

人にも起きているはず。 今回のには今回の How come がある、はず。

 

たとえばこの先輩、この後輩、どちらにも<ヒッカカリ傾向>があり、

その二人がたまたまコンビになった、ということも一つ。 <人間>

がダメ押しした、と見る方が筋が通ります。

 

  蛇足ながら、新聞の見出しに「指導女性も気付かず」とあったが、

  How come?  <先輩>が男性だったら、「指導男性も、」と書く

  のだろうか?  差別的、と思える表現、私の感じ過ぎかな?

 

その仕事に就く人が<必要な特性>を備えているか、をどんな方法で

判別しているのか、その方法は信頼できるのか、彼らはたしかにその

方法で選抜され、かつ定期的にチェックされていたのか、、  

 

<故F先生のクレペリン方式>だったら、一発なんだけどな、、

 

*   *   *

 

管制官は国家公務員、応募者120倍の難関だそうですから、素質と

しては優秀な人たちなのでしょう。 が、報道では「求められる適性

は記憶力と3次元空間認識能力」とのみ。 それだけ?  How come?

 

持久性とか冷静さとか、ただ<能力>でない<人柄>の面で優れた人

でないと、、  と私は思うのですが。

 

「大卒は半年、高卒は2年程度の教育を経て各地へ配属。 担当区域

が変わるたびに地域交通事情に関する試験を受け、資格を取る仕組み」

だそうですが、<高>の「2年」はともかく、<大>は僅か「半年」

で足りるのかな?   両者の差、それほど大きいのだろうか? 

 

管制官に必要な知識を普通の大学が提供するわけ無いし、<人柄>は

高校時代までに出来上がっているはず。  その<人柄>を大学での

経験がより良くする、なんて信じられない。

 

<120倍>から篩い出す際、<人柄>の点も厳選したんだろうな?

それが現実に、思い違え、「動転」、重なる言い違え、、  でしょ。

 

その選抜方法ないし育成方法、大いに疑問ですぞ。

 

*   *   *   *

 

そして「交通量激増、空域複雑化、さらに管制官高齢化で、年々危険

要素は増大している」、「航空機の多様化、ハイテク化に引き比べ、

管制機器はハード、ソフト、共に後れが目立つ」割に、

 

要員の確保が進んでいない、という。  毎年の新任者は約50人、

この10年で飛行機は50%増えたが、管制官は10%増に留まる由。

若いのが入って来ないから年の行った人も辞められない、<高齢化>。

 

だから疲れていてアタリマエ、で説明するつもりじゃないだろうな?

だからあのニアミスも、、 かな? まさか!  だから、これだけ

増やし、こうして補強進行中だった、くらい示せるものが無かったら、

関係者はみんな<月給泥棒>、、 でしょ、天下りのエライさん?

 

*   *   *   *   *

 

コンピュータ業界同様、空は<英語の世界>。 「求められる適性」

にそれは含まれていなかったが、、 良いのかな?

 

「半年」や「2年程度」の教育で、<英語>がOKになるわけが無い。

「管制は日本語または英語で、とされているから、、」という解説も

あったが、ニアミス直後、「日本語で、、」と断って報告がなされた

ことからすると、それまでは英語交信。  機長たちの英語も同様の

レベル、だとすると、<寡黙>は、必要以上には喋らずに済ませたい、

の心理からかも。 なかなかお国訛が抜けず、嗤われるのがイヤさに

ダンマリを決め込むようになった人、あなたの近くにもいたでしょう。

 

「この管制官、オカシイぞ」と思ったのなら、構わず日本語で怒鳴り

つけてやるべきでしたな。 「バカヤロウ、目を覚ましな!」とか。

 

横文字にこだわっているうちに危険接近、では本末転倒です。 が、

半世紀前、それで宣戦布告を怠ったバカもいた我が国柄。 DNA?

 

なら、 Fool-proof が必要。 いっそメカニカルに、たとえば西行き

が上、東行きが下、という縦の回避、もし同一高度のままなら、左右

に旋回して離れる横の回避、、  そんなルール、すでにあるんじゃ

ないのかな? シロートの私が思い付くくらいだから。  しかし、

 

あまりたいしたことはしていない、ようですぜ。  たとえば、

 

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●<ヒヤリ・ハット>経験

 

のアンケートは取るが、その中身についての調査や対策は不十分、と

語られてもいました。  そのアンケート、いったい何のためかね?

 

管制官の4人に1人がニアミスを体験し、機長側も4人に1人の割で

管制の指示とTCASの指示の矛盾を感じたことがある、という。

 

  今回、機長が管制官に問い返さなかったのもあるいは、基本的に

  管制官を信じていないまた、最終的には機長判断が許されている

  から、ではあるまいか?  それにしては、便名すら怪しい指示

  に、衝突寸前まで従ったのが解せない。  How come?

 

しかも<矛盾>の場面では機長の85%がTCASに従い、10%が

自分の判断で回避した。  計算上、管制官に従ったのは僅か5%。

あまり尊重されてはいない、、ようですね。   How come?

 

 

今回もTCASに誤りは無かった。 なら、TCASの指示が管制官

にも見えるような仕掛けにすべきだよな。  Seeing is believing.

<矛盾>を管制官自身に解決させるのはいかが。

 

 

<便名の取り違え>は間々あることだそうですが、管制官の見ている

スクリーンには<便名>も出ていたんじゃなかったかな? それでも

読み違えるのか、口に出すと違ってしまうのか?   How come?

 

<120倍>から選んでも、それが「間々ある」人たち。 とすると、

応募者の質がよほど劣悪なんですな。  そんな管制官なら、

 

機長たちに尊重されなくとも仕方ない、、  が、機長たちは大丈夫

なんだろうな?  どのように選抜・育成されるのか?  その方法

を管制官に用いれば、もっとマシなことになるのではないか?  

 

その空域の事情を知って誘導する管制官、多くの人命を預かって飛ぶ

機長、、 互いを必要とする間柄、なら仲良くして欲しいものですが、、

 

*   *

 

「また言い間違えてら。 口利くのもカッタルイぜ。 どうせオレが

ちゃんと飛ばしゃ良いんだから、、」かどうか、機長は返事もしない。

 

命令口調で指示しては来るが、自分じゃ飛ばせっこない連中、、 と

でも蔑むのか、、 おや、似たような関係、どこかにもありましたね。

 

おエラは威張るだけ、言うことはトンチンカン。 プロジェクト運営、

任されたものと思ってましたがね。 仰せに従って、そのせいで業績

が良くない場合でも、結局責任取らされるのはこっちなんだからな、、

 

なんて不満、あちこちで聞きますよ。 おや、あなたも、でしたか?

そう言えばあなたの部下も、あなたにそんな不満、あるようですよ、、

てな具合。  御社のコミュニケーション、大丈夫ですか?

 

語源<コミュニカーレ>は、<共有する>という意味でしたっけね。

知識や認識を同等に持つための交信。  ヒコーキの場合は、かなり

の部分、基礎的に共有化されていたはずです。  それを 

 

Rational Process にたとえれば、互いに同じワーク・シートを用い、

ほとんどの欄は初めから埋まっている。 あと、その時点での特徴的

事象を交信し合うことによって完成させる形。  でも、あんな具合。

 

ビジネスの場合はもっと難しい。 各機のコース、高度、速度、操縦

練度などテンデンバラバラ。  目的地や到着時刻もどんどん変って

行きます。  今回のJAL騒動のような交信ぶりだったら、大事故

発生は必至です。  まあ管理職、腕のみせどころではありますが、

 

*   *   *

 

今まで何とかやって来られただけでも、実は大成功だったのかも知れ

ませんな。  あなた、本当にご運が宜しい。

 

しかし、幸運は無限ではあり得ない。 長続きさせるには<補強>が

必要です。  業務の推進に関わる人々との綿密な交信を心掛けなく

てはなりません。 言葉のやり取りの密度を高め、安心なものにする

には、、、 やはり Rational Process の活用、でしょうな。

 

互いに、「このワーク・シートを使おう」、「この欄の情報、あるの

かな?」、「現時点ではこのように、、」と刻んだ交信を重ねて行け

ば、、   How come?! と首を傾げることにはならずに済むでしょう。

 

                         ■竹島元一■

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